株式会社ウッドビルド
代表取締役
日本の家づくりを取り戻したい
私は、長野県で43年間大工として、また棟梁として家をつくってきました。
私が大工を始めたころは、家といえば木と土を使った木造在来構法で、
現場は「棟梁」が家づくりの全責任を負いさまざまな専門の職人たちを統率していました。
材は現場で大工が刻み、壁は左官が土をこねて塗りあげました。
手間もかかりましたが、そこには職人たちの手仕事が活かされていました。
そして、少しずつ家が出来上がっていく様子を見ながら、
施主もいっしょに家づくりの思いを共有していました。
地鎮祭、上棟式、新築祝い…節目には神聖な儀式もあり、
親族や、家づくりに携わる者たちが気持ちを一つにして、一棟の家をつくり上げたものです。
家づくりの基準となる寸法は、昔からずっと尺や寸、間などを使っていましたし、
大工道具も曲尺から、鉋、鋸、玄能、鑿、手斧など、大切に手入れされながら受け継がれてきました。
そこには、日本人の底流に流れ続ける「生活文化」が生きていたのです。
それが、このわずか35年ほどの間に、ガタガタと崩れてしまいました。
家電品や自動車などの工業製品のように、
大量生産が可能なプレハブ住宅が作られるようになり、全国で同じ家が建ち始めました。
いわゆる家の既製品です。
プラスチックやビニールなどの化学素材を使った家は、壊したときに大量のゴミになります。
それだけでも大変な問題ですが、そもそもプラモデルのように組み立てるだけですから、
そこには大工の技術もいらなければ、棟梁の力量もいりません。
その後は北米から輸入されたツーバイフォー(合板パネル組立構造)住宅のブームです。
合板の壁で箱を作っていく家づくりは、日本の建築技術の基礎である尺貫法を崩し、
柱を刻んで組み立てる大工の技術も無用のものにしてしまいました。
そして、高気密高断熱住宅…。
すべてを密封して風の通らない核シェルターのような家を、快適な住宅と言い始めました。
私が、何かおかしい、と思い始めたのはこのころからです。
建てている段階で大工の頭が痛くなるような家が、住まう人の健康にいいはずがありません。
しかも家の床下や壁の中にこもった湿気の行き場がなく、
内側から蒸れて腐ってボロボロになった家を、ひんぱんに目の当たりにするようになりました。
日本の長い建築文化のなかで、
もっとも「やってはいけない」はずの家づくりが、主流になっていました。
私は、大工の直感で「やばい」と感じていました。
やがて、この直感はシックハウス症候群という形で社会問題化してきました。
とうとう私たちは家によって命を脅かされるほどの危険な状態にまで、追い込まれてしまったのです。
私たちはいったい、どこでボタンをかけちがってしまったのでしょうか。
私は、つくづく考えました。住まう人の健康と財産を守る家をつくりたい。
育てあげたWB工法がようやく全国的に根を張り始めました。
いよいよこれからが正念場です。
私が、一大工の直感の信念で取り組んだWB工法は、
間違ってしまった日本の家づくりを、もう一度正しい方向に導いてくれると確信しています。
家は、住む人の命と財産を守るもっとも小さな環境でもあるということを忘れてはいけないと思います。
家は、命に直結しているのです。
私は、次代に自信を持って引き継げる家をつくっていきたいと思っています。
「いい家づくり」は、家族を幸せにします。そして家づくりに関わった者も幸せにしてくれます。
子ども世代、そして孫世代が健康でいきいきと暮らせる家を、
WB工法でかなえていけたら、こんな幸せはありません。
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